【レビュー】『Sayonara Wild Hearts』ポップでエネルギッシュな渾身のアートが凝縮された情熱的リズムアクション

出典元:Simogo

スウェーデンの開発チームSimogoが手掛けたリズムアクションゲーム『Sayonara Wild Hearts(さよならワイルドハーツ)』。

本作は2019年9月19日にPS4、Apple Arcadeにて配信され、後にSwitchにもリリースされている。先日発表された「The Game Awards 2019」のBest Art Direction、Best Mobile Game、Best Score & Musicと数々の部門にノミネートされた作品で、実際に手にとってみたところ、凄まじいアート表現に圧倒されたので感想を綴りたい。

失恋した少女が入り込んだのは、強烈にポップでエネルギッシュな精神世界

主人公となる少女が失恋し、ハートが傷つきバラバラに砕け散った瞬間、精神のバランスは崩壊。パラレルワールドとなる精神世界のもう1人の自分“ザ・フール”と対峙することになる。

その精神世界は、ポップでエネルギッシュなビジュアルと、エレクトロポップな中毒性あるサウンドトラックに彩られ、強烈に芸術的で創造性に満ちた世界観に仕上がっている。

一つのアート作品として捉えても価値のある完成度だ。

出典元:Simogo

ランアクションをベースとした、多岐にわたるスピード感あるゲーム性

ゲーム性は、ステージ上に落ちているハートを拾い、障害物を避けながらスコアを重ねていくランアクションがベース。

それだけには留まらず、随所でダンスバトルやシューティングといった多岐にわたるジャンルが取り入れられており、全体を通して飽きのこない造りになっている。

出典元:Simogo

それらの目まぐるしく切り替わるゲーム性は、どれもアーケードライクなシンプルかつ直感的な仕上がり。リズムに合わせたハイスピードなテンポ感も心地よく、脳内のアドレナリンを大量に分泌させてくれた。なお、筆者はSwitch版でプレイしたのだが、演出に合わせたHD振動も爽快感を高めるスパイスになっている。

ちなみに、日本のサブカルチャーに影響を受けたとされており、SEG○っぽいゲームデザインが垣間見えることもあった。

短い体験に凝縮されたセンス溢れるアイデアの数々

本作のボリュームについてだが、クリアまでの一通りのプレイ時間は約1時間と非常に短い。だが、その短い体験にセンス溢れる数々のアイデアがこれでもかと詰め込まれている。

ベースとなるランアクションにおいても「飛ぶ、落ちる、駆ける、滑る、運転する」といった様々なバリエーションが盛り込まれているし、カメラアングルは計算しつくされ、ポップに染まったビジュアルに時おりサイケデリックな演出が挟まれる。日本の特撮映画やアニメを彷彿とさせる変身シーンや意味不明な決めポーズも面白い。

総じて、今風にいうと「めちゃくちゃエモい」。

出典元:Simogo

ゆえに、作品の密度や後述するリプレイ性や価格も考慮すると、ボリュームに対しての不満は一切感じなかった

ストレスを感じさせないリプレイ性と救済要素

ゲーム全体の難易度としては割と簡単な部類だろう。後半のステージになるにつれ、避けるのが難しく感じる場面もあるが、ロードは全く挟まず、すぐに直前のシーンからリトライできるようになっており、ストレスを感じさせない。またリトライ回数が重なった際に、そのシーンをスキップできる救済要素もしっかり完備されている。

1ステージのボリュームは極めて短いものから、1トラック分楽しめるものまで程よく区切られている。

ステージごとにスコアに応じたブロンズ~ゴールドまでの評価が行われるようになっており、ハートの位置をある程度把握し、連続取得のコンボボーナスを狙って高得点を目指していくなど、リプレイ性も考慮されている

出典元:Simogo

渾身のアートに魅了されるアーケードライク・リズムアクション

ゲーム性はシンプルながらも、渾身のアートが詰め込まれたエネルギッシュなリズムアクション。同じくして、本年のBest Art Directionとしてノミネートされている「GRIS」とはベクトルの違った芸術性を味わうことができた。これほどまでに様々な体験が短時間に凝縮され、作品への情熱がひしひしと感じ取れる作品は中々お目にかかれないだろう

ぜひとも大画面かつ大音量でプレイしてもらいたい。

【製品概要】

機種:PS4、Switch
メーカー:Annapurna Interactive

発売日:PS4:2019年9月19日、Switch:2019年9月26日
税込価格:PS4:1,477円、Switch:1,400円

公式サイト