2020.10.14 ニュース記事を1件公開しました。

【レビュー】『River City Girls』 「なめんなよ!」系女子が贈る令和世代のベルトスクロール喧嘩アクション

出典元:アークシステムワークス

ベルトスクロールアクション“、このジャンルにどんな印象を持っているだろうか。

「懐かしいジャンル」、「ゲームセンターにあったなぁ」、「○○ミニに何本か入ってた」、「最後にやったのはドラゴンズクラウン」‥こんな声が聞こえてきそうだ。

そんな”ベルトスクロールアクション”に久しく縁がなかった方にも勧めたいタイトルがあったので紹介したい。

2019年9月5日にPS4/XOne/Switch/Steamの4機種で、アメリカのゲームメーカーである「WayForward Technologies Inc.」が開発し、アークシステムワークス監修のもとに発売された『熱血硬派くにおくん外伝 River City Girls』だ。

『あぁ、くにおくんかぁ‥』と思ったそこのお姉さん! どうか閉じないでもう少し話を聞いていって欲しい。

そもそも「くにおくん」という概念はいったん忘れよう

物語の主人公となるのは、”なげない、けらない、なぐらない“がモットーのリバーシティー高校の生徒である、男子っぽい喧嘩上等な女の子「みさこ」と女子っぽい天然じみた不良っ子「きょうこ」の2人組。

とある日、数学の補修授業に飽き飽きしていた2人に、突如「それぞれの彼氏が何者かに誘拐された」という連絡が入る。
居てもたっても居られなくなった2人は、教室中のクラスメイトをなぎ倒し、誘拐犯を見つけ出してボコボコにするというバイオレンスな旅路に向かう。

不良と悪者がはびこるリバーシティーやダウンタウンといった6つの街を駆け回り、道中で出会う雑魚敵やボスを見境なく殴り倒して、事件の真相に辿り着こう。

出典元:アークシステムワークス

『何だ、くにおくんじゃないじゃん‥』と思ったそこのお兄さん!ここまで読んだからには、ぜひ最後までご一読いただきたい。

ポップでキュートに徹底した現代に見合うビジュアル表現

本編の要所要所は、コミカルなコミック調の演出を用いて描かれている。海外製のゲームだが、登場人物は日本人好みなキャラデザインで、アメコミというよりは日本の少年漫画を読む感覚で楽しめるだろう。特に主人公である2人の少女は、可愛らしい見た目と突出した性格付けとのギャップもあってか、とても個性的で妙に愛らしく映った。

出典元:アークシステムワークス

リバーシティーをはじめとする舞台は、日本を彷彿とさせつつも、随所の看板に英語が羅列されていたり、ファストフードの店内が何故か小料理屋めいていたり、俗に言う”なんちゃってジャパン”な世界観だ。しかし、全体的にポップな配色がなされており、ポップスやロックといった様々なジャンルで奏でられるクオリティの高いBGMも相まって、都会的で味わい深い”アメリカンジャパン“なテイストに仕上がっている。

出典元:アークシステムワークス

本作の開発を手掛けた「WayForward」は、シャンティシリーズで知られる美麗できめの細かい16ビットのドット絵が、なめらかに生き生きと動くアニメーション技術を得意としており、本作でもその技術力がふんだんに盛り込まれている。各UIのフォントや配置、ボス戦への突入を盛り上げる対峙シーンなどからも現代に見合うデザインセンスが感じ取れた。

出典元:アークシステムワークス

 

複雑なコマンドは不要、アーケードライクなベルトアクション

本作の基礎となる攻撃手段は、発生の早い弱攻撃の位置付けとなる「クイックアタック」と、発生は遅いが威力がありふっ飛ばし効果も持ち、強攻撃の位置付けとなる「ヘビーアタック」だ。

それぞれがワンボタンで繰り出せ、ボタンの連打や適当にそれぞれのボタンを押すだけでもバリエーションある連続攻撃を浴びせることができる。それにジャンプとガード、接近時の投げ技を組み合わせる事ができればもう一人前だ。あとは敵をまとめるように攻撃を守ったり避けたり動きつつ、相手の隙をついて殴り倒すのみ。

格闘ゲームのような複雑な操作は必要とせず、昔ながらのアーケードライクなベルトアクションに忠実なシステムになっている。

みさこときょうこは、それぞれが持つ技の性能やモーションが異なり、キャラごとのアクション性が楽しめる。みさこはボクサー気質な手腕を使ったコンボ技やかばんを振り回す荒々しいモーションが、きょうこは脚力を駆使したコンボ技やスポーツライクなモーションが特徴だ。

出典元:アークシステムワークス

使用キャラは途中で変更可能なので、自分の好みに合ったキャラを模索するのもいいだろう。サンドバッグは街中のいたるところに落ちている。

成長することでより凶悪になっていくコンボスタイル

前述のアクションに慣れてきたところで、もう1段階バトルを華やかにするのが、レベルアップや道場を用いた成長要素だ。

雑魚敵やボスを倒すことで経験値を取得し、レベルアップする事ができる。攻撃力やヘルスといったステータスが上がるほか、レベルアップに応じて新たな技を覚える事ができる。また同じくして、倒した敵からはお金を頂戴する事ができるので、貯まったお金はショップや道場で活用しよう。

ショップでは、食べ物や回復アイテム、アクセサリーを購入することができる。食べ物や回復アイテムは初回購入のみ、永続的にステータスをアップさせる効果を得ることができるので、新商品を見かけたら1度は購入しておきたい。アクセサリーについては、特定の敵へのダメージアップや投げ技の強化などの効果を得られるが、ストーリーを進めることでも強力なアクセサリーが手に入るので、そこまで重視する必要はないだろう。

出典元:アークシステムワークス

道場では、レベルアップで覚えるものよりもさらに強力な技や、前述の攻撃方法とは別枠の「特殊技」を習得する事ができる。レベルアップや道場で習得した技は、十字キーとボタンの組み合わせで発動する。また、特殊技は専用のゲージを消費することで発動することができ、専用ゲージは時間経過で回復するため積極的に使っていきたい。

それぞれは単体でも十分なダメージソースとなるが、アクションに手慣れたプレイヤーならば、それらを組み合わせて地上・空中問わず、もうワンランク踏み込んだ連続攻撃を繰り出す事ができる。それぞれの技の性能を把握しながら、独自のコンボを開拓するのも楽しみの一つだ。

その他、命乞いする不良を舎弟にしてアシストに使ったり、道端に落ちているアイテムを拾って攻撃することもできる。敵に囲まれ袋叩きにされそうな場面では、それらを用いてピンチをチャンスに変えていこう。

出典元:アークシステムワークス

くにおくんシリーズのファンに向けて

さて、ここまで述べてきたのだが、一体全体くにおくん要素はどこにいったんだ‥という疑問について回答していきたい。

実は、主人公であるみさこときょうこの彼氏となるのは「くにお」と「りき」であり、「熱血硬派」シリーズの一つである「新・熱血硬派くにおたちの挽歌」でもそれぞれが登場している。ただし、関係性こそ一致するが、それぞれの見た目や性格は少しずつ異なっている

また、道中には「ダウンタウン」シリーズのキャラも登場するが、こちらも別人のような設定になっている。必殺技に関しても「マッハパンチ」「マッハキック」といったおなじみの名称が使われているものの、その性能は従来のものと異なる

出典元:アークシステムワークス

ここまであえて情報を伏せたのも、シリーズを生み出した旧テクノスジャパン・現アークシステムワークスが監修しているものの、「WayForward」なりのシリーズ解釈とオリジナルキャラの追加で再構成された、全く新しい外伝作品だということを認識してもらいたいからだ。

ちなみに、くにおくんシリーズ以外にもテクノスジャパンの作品で登場したキャラがカメオ出演しているので、登場キャラをじっくり観察してみよう。

淡白に感じるシナリオ、システム面で細かい不満点も

良くも悪くもシナリオ面については全体的に淡白な印象。魅力あるキャラクターが多数登場するので、もう少し関係性の掘り下げが欲しかったところ。

また、リトライが重なるボス戦で毎回イベントシーンが挟まれたり(スキップ可能だが数秒間の長押しが必要)、エリア移動の決定と弱攻撃が同じボタンに割り当てられているため、攻撃しようとした際にエリア移動してしまう場面があったり、細かなシステム面の粗さは不満点として挙げておきたい。

魅力あるキャラと現代に見合うアニメーション技術とデザインセンスが光る令和世代のベルトアクション

本作は、様々な成長要素を取り入れつつも、ゲーム性の根幹としては従来通りの堅実な造りを踏襲し、システム面の細かな不満点はあるものの、魅力ある”今風”のキャラクターデザインや、現代的なアニメーション技術とデザインセンスが光る、令和世代にも通じる作品に仕上がっており、『まだまだベルトスクロールアクションは戦える』そう感じさせてくれた。

価格も2980円とお手頃なので、久しく当ジャンルに触れていない方も、全く触った事のない方も、一度体感してみてはいかがだろうか。