リングフィットアドベンチャーは再びブームを起こせるのか?

出典元:リングフィットアドベンチャー公式サイト

先月、任天堂から満を持して発表された「リングフィットアドベンチャー」。突如として謎めいた動画が事前に公表され、大きな注目を浴びました。

かつてリリースされた「Wii Fit」シリーズに続くヒット作となるのか? 任天堂が過去に生み出した健康管理ゲームの歴史を振り返りながら考えてみたいと思います。

Fitシリーズの歴史を紐解いてみよう

歴史的ヒットとなった健康管理ソフト Wii Fitの誕生

2007年10月1日、当時としては異色の「健康を管理するゲームソフト」として「Wii Fit」が発売されました。

参照:Wii fit 公式サイト

周辺機器となる「バランスWiiボード」を用いて、ヨガ、筋トレ、有酸素運動、バランスゲームをジャンルとした48種類のものトレーニングが収録され、ジョギングや腕立てといったスタンダードな運動から、バランスボードを板に見立てたスキーやサッカーのヘディングといったゲーム感覚で楽しめる運動まで幅広く取り入れられています。

発売当時のWiiは1周年、ハードの普及率的にはまだそこまでではなかった印象ですが、「ゲームを楽しみながら健康的に運動ができる」商品として様々なメディアで取り上げられ、発売後1ヶ月、またたく間にミリオンセラータイトルとなりました。

その後の2009年10月1日、21種類の新作トレーニングや様々な機能改良が加えられたバージョンアップ版ともとれる2作目「Wii Fit Plus」が発売。

結果、Wii Fitは世界的にロングランを記録し、周辺機器となるWiiバランスボードは2012年3月時点で3700万台以上の販売を誇っています。

陰りが見えた Wii Fit Uの足跡

Wii Fit Plusの発売から約5年、プラットフォームをWii Uに移し、Fitシリーズ第3作目として「Wii Fit U」が発売されます。

バランスWiiボードはそのまま使用でき、新たな周辺機器「フィットメーター」が導入されました。

参照:Wii fit U公式サイト

このフィットメーターは赤外線機能加速度センサー気圧センサーが搭載されており、歩数のカウントや運動量、高度変化等を測定・記録し、Wii Uにデータを転送すると、日常の消費カロリーや測定結果を元にしたトレーニングメニューが提案される、という画期的なものでした。

さらに新要素として19種類のトレーニングを追加し、発売前の3ヶ月間に「1ヶ月先行体験キャンペーン」を実施するなど、力の入れようが伺えましたね。

しかし結果として、残念ながら本作は前作のようなヒットには至りませんでした。健康管理の観点としては前作を遥かに凌ぐものの、目新しさに欠けていたのかもしれません。また、スマホの普及や他の健康器具の進化など、環境変化も要因として考えられるでしょう。

健康管理ゲームの4作目となるリングフィットアドベンチャー

2019年10月18日に発売予定の”冒険しながらフィットネス”なリングフィットアドベンチャー。周辺機器は一新され、「リングコン」と「レッグバンド」となりました。

参照:リングフィットアドベンチャー公式サイト

リングコンに搭載された「力(チカラ)センサー」と、「加速度センサー」と「ジャイロセンサー」を搭載したJoy-Conをレッグバンドで太腿に固定してカラダの動きを認識、全身を使った60種類のフィットネスができるとのこと。

基本となるゲーム要素も一新され、ジャンルとしてフィットネスアドベンチャーと称されています。先に述べた器具を用いてゲームキャラクターと連動し、ファンタジーな世界で魔物を倒しながら冒険することで、ゲームを楽しみながら日々の運動が行える「アドベンチャーモード」がメインコンテンツとなっています。

参照:リングフィットアドベンチャー公式サイト

また、アドベンチャーモードだけでなく、短時間で気軽に運動が楽しめる「シンプルモード」やハイスコアを目指す「ミニゲームモード」、ゲームを起動していなくても、リングコンの押し引きによって運動ができる「ながらモード」など様々なモードが収録されています。

騒音対策として足踏みから屈伸運動へ切替可能なサイレントモードも任天堂らしい気遣いを感じますね。

シリーズ従来のメインターゲットはライトユーザーでしたが、ゲーム要素も大幅に強化され、日頃からゲームを楽しんでいるコアなユーザーも存分に楽しめる内容になっていそうです。

リングフィットアドベンチャーは再びブームを起こせるのか?E3以降で見えてきたライトユーザー獲得への戦略

さて、果たしてリングフィットアドベンチャーはブームを起こせるのでしょうか?

今回のプラットフォームとなるニンテンドースイッチは、発売当初から任天堂の人気シリーズが次々と発売され、サードパーティも続々と参入、Wii U時代には見ることができなかった好調な動きが見られ、潜在的なユーザー数としては十分なほどに多くのファンを獲得しています。

ただし、本作の主軸となるターゲットは、CMに新垣結衣さんを起用した事などもみられ、従来どおりライトユーザーであると考えています。となると、本作を遊んでもらうには同時にハードも大きく牽引する必要がありますが、安価な価格帯でライトユーザーが手に取りやすいであろう新機種のスイッチライトは非対応という点や、導入コストや他商品の健康管理への機能の発達も懸念すると『果たして本作にそこまでの魅力があるのか』という点では、私は少々疑問に感じている、というのが正直な印象です。

 

と思った矢先、先日、任天堂から新作「脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング」が発表されました。この「脳を鍛える」シリーズは、ニンテンドーDS時代にライトユーザー問わず絶大な注目を浴び、一大ブームを巻き起こしたタイトルです。

この発表により、任天堂の今後のライトユーザー獲得に注力するであろう戦略が少し垣間見えたように思えます。本作が支持を得る鍵は、ライトユーザーの心を掴む「+α」となる他タイトルのリリースに掛かっているのではないでしょうか。タイトルのリリースを重ね、ライトユーザーに対するハード牽引の波を作ることができれば、Wii Fitのようなロングランが期待できそうですね。

今後の任天堂から発売されるタイトルに期待し、今よりもより多くのゲームユーザーが生まれる事を切に願います。